相続
相続の基礎知識
相続手続きの流れは、次のようになります。
1)遺言書の有無を確認
2)相続人の確定
3)相続財産の確定
4)遺産分割協議
5)相続財産の名義変更
6)相続税の納付
期限が定められているものもありますので、なるべく早く進める必要があります。相続人の方が自分で手続きを行うことも可能ですが、専門家に相談した上で進められるほうがいいです。
司法書士、税理士、弁護士、行政書士といった専門家がありますが、それぞれ専門とする分野が異なりますので、相続人の方々の状況や内容により依頼先を検討する必要があります。
相談内容 | 弁護士 | 司法書士 | 税理士 | 行政書士 |
---|---|---|---|---|
遺言書の検認手続き | ○ | ○ | ||
相続人・相続財産の調査 | ○ | ○ | ○ | ○ |
遺産分割協議書の作成 | ○ | ○ | ○ | ○ |
相続放棄の申立て | ○ | ○ | ||
相続不動産の名義変更 | ○ | |||
相続税申告の手続き | ○ | |||
相続紛争の代理交渉 | ○ |
このように専門家によりできる分野とできない分野があります。そして、同じ分野を扱ったとしても、専門家によって料金が変わる場合が多いです。
また、相続人の方がそれぞれの分野ごとに専門家を探す必要はありません。ほとんどの専門家は連携して相続手続きにあたります。
遺産分割協議書
遺言がなかった場合、相続人が話し合って遺産の分割を決めることになります。
そのために、相続人の確定として、「相続人関係説明図」を作成します。被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本を集めて、配偶者、嫡出子、非嫡出子、養子、直系父母、兄弟姉妹などの相続人となる関係者を確認します。
そして、相続人確定と同時に、被相続人の所有していた不動産、預貯金、株式などだけでなく、借入金、未納金などを調査します。それに寄与分や特別受益などを合わせて、「相続財産目録」を作成します。
「相続人関係説明図」と「相続財産目録」を元にして話し合いを行い、話し合いの結果となる「遺産分割協議書」を作成します。
この遺産分割協議書がなければ、被相続人の金融財産は凍結されたままとなり、不動産の移転登記もできません。
相続登記の義務化
これまで相続登記は明確な期限などが定められていなかったため、被相続人の名義のまま放置されていることが少なくありませんでした。
相続登記を怠ったままにしていると、世代を重ねるごとに相続人が増えることもあり、分割協議が困難となります。そして、国すらも所有者が確認できず、公共事業や復興事業に支障をきたすこととなります。
このような状況から、民法及び不動産登記法が改正され、2024年4月1日から施工されることになり、下記の通り変更されました。
- 相続登記が義務化される。
- 不動産取得後3年以内に登記を行わなければ、10万円以下の過料が科される。
- 住所変更をした場合でも義務化されるため、2年以上未登記の場合は5万円以下の過料が科される。
- 改正以前の不動産も義務化されるため、早期の対処が望まれます。